特定建築物等・建築設備・防火設備検査の定期検査・報告

Ⅰ.特定建築物等の定期調査

 調査内容などの詳細は、平成20年国土交通省告示第282号に定められています。
 現場での目視調査だけではなく、必要に応じて作動・打診・図面チェックも行います。
 

1.敷地及び地盤について

 建築物周辺の地盤・敷地内排水路の状況、塀・擁壁の状況を調査します。
 

2.建築物の外部について

 基礎、外壁、窓、広告板等を調査します。タイル仕上げなどの外壁については打診調査(必要に応じ全面打診)が必要な場合があります。
 

3.屋上及び屋根

 屋上・尾根の防水、排水、劣化状況を調査します。
 

4.建築物の内部について

 防火区画、防火戸、防火シャッター、内部の床、壁、天井の状況を調査します。防火戸、防火シャッターについては、常時閉鎖式の防火扉、作動した状態にある防火設備、外壁の開口部が対象となります。
 

5.避難施設等について

 廊下、階段等の避難経路、避難バルコニー、排煙設備、非常用の証明装置の状況を設計図書や現場で調査します。
 

6.石綿(アスベスト)について

 吹付石綿の有無と飛散防止状況を設計図書と目視で確認します。
 

7.その他

 避雷針、煙突などについて調査を行います。
 

Ⅱ.建築設備の定期検査

 検査内容などの詳細は、平成20年国土交通省告示第285号に定められています。
 

1.機械換気設備

 機械換気設備は、常に快適な室内環境になるように、窓が無い部屋や、人がたくさん集まる部屋、ガス機器を使用する部屋に設置が義務付けられています。適切に換気が行えているか、風量測定等で検査します。CO2の濃度が1000ppmを超える居室は換気が不十分であり、さらに空気環境が悪化すれば、頭痛・めまい・倦怠感・吐き気など人体に悪影響を及ぼします。ガスコンロ・湯沸器などのガス燃焼器具を使用する調理室等にも機械換気設備が義務付けられています。燃焼器具の廃ガスによる空気汚染や、酸素不足による不完全燃焼を防止するためには十分な換気が必要です。機械換気設備の能力が十分に発揮できないと、不完全燃焼による一酸化炭素中毒を引き起こす恐れもあります。
 

2.機械排煙設備

 機械排煙設備は、避難時に煙にまかれないように火災で発生した煙を、屋外に排出する設備で、作動状況や風量測定等の検査を行います。火災による死者の約6割が逃げ遅れによるといわれていますが、火災の初期段階で煙にまかれず、安全に避難するためには排煙設備の検査が必要です。
 

3.非常用照明装置

 非常用照明装置は、火災や地震などで建物が停電した時でも、暗闇でパニックにならず安心して避難できるように設置された照明装置です。停電時に非常用の照明装置が十分な明るさで点灯するか検査します。非常用の照明装置は避難に必要な照度で30分以上点灯する必要があります。照明器具が取り外されている、予備電源(電池など)が寿命で切れているという状態は危険です。停電時でも避難行動がとれるよう常に非常照明装置の維持管理に努めます。
 

Ⅲ.防火設備検査

 検査内容などの詳細は、平成28年国土交通省告示第723号に定められています。
 

1.防火戸について

 周囲に物品が放置されていないか、扉の取付・劣化・損傷の状況を主に目視で確認し、防火戸の閉鎖の状況を作動させて検査します。
 

2.防火シャッター・耐火クロススクリーンについて

 周囲に物品が放置されていないか、駆動装置・カーテン部・ケース・まぐさ及びガードレールの状況を主に目視で確認し、防火シャッターの閉鎖の状況を作動させて検査します。又、危害防止装置が適正に動作するかも検査します。
 

3.ドレンチャー等について

 周囲に物品が放置されていないか、散水ヘッド・開閉弁・排水設備・水源の状況を主に目視で確認し、ポンプを動かしてドレンチャー等の作動の状況を検査します。
 

4.連動機構について

  全ての防火設備に対して各種感知器、温度ヒューズ、連動制御器、予備電源、自動閉鎖装置並びに手動閉鎖装置を目視及び作動させて検査します。
 

Ⅳ.報告の時期(特定建築物・建築設備・防火設備)

 当該年の4月1日から12月25日まで
 
報告すべき内容

  • 特定建築物
    建築物の敷地・構造及び建築設備に関する事項
  • 建築設備
    換気設備・機械排煙設備・非常用の照明装置に関する事項
  • 防火設備
    随時閉鎖式の防火戸・防火シャッター・耐火クロススクリーン・ドレンチャー等の防火設備

 
 

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